『詩の国秋田』 第4号 「秋田俳壇の先達」シリーズ(1) 

2012/09/02

 

年会誌『詩の国秋田 : Akita – the Land of Poetry 』第4号のEパンフレットによる発刊にあたり、秋田県国際俳句協会会長和田仁氏が「秋田俳壇の先達」シリーズとして次の俳人の方々の句を選句し、短評を加えました。

ご紹介します。

 

「秋田俳壇の先達」シリーズ(1)

 

川村三千夫 (秋田県俳句懇話会会長・合歓代表・海程)

 

 

*少年の眸よ早春の潮溜まり

*震度六春の厠に四つん這い

*反転の山女そのとき白けむり

*原子炉に神は在さず五月雨

*稲架の裏馬の魂魄ひしめけり

作風:華麗にして鋭利な俳諧性が持ち味

  

武藤鉦二 (秋田県現代俳句協会会長・しらかみ主宰・海程)

  

 

*山国の山影ふくらんでゆく日永

*読本に黒塗りしころ夜の蝉

*途中から雁が音となり津軽三味

*どか雪の盆地ふんわり落とし蓋

*軒つらら民話はぐくむ硝子ペン

  

作風:俳域を超越した清冽な詩性が持ち味

  

伊藤沐雨 (天為秋田支部長)

 

 

 

*越後より軽しと羽後の雪をかき

*木版の和紙の白さを雪として

*雪囲ひして風評を寄せつけず

*せせらぎの記憶は春の小川です

*四五軒の里の総出の花筵

  

作風:高潔にして典雅な情感が持ち味

  

舘岡誠二 (前秋田県現代俳句協会会長・海程・寒鮒)

 

 

 

*地獄絵の被災地掠め岩燕

*潟の田で守護神となり雁の陣

*じわじわと寒さ酒場の客まばら

*ポケットに延命丸入れ冬の漁夫

*軒つらら一人芝居をしたくなり

  

作風:産土への存問と純度の高いヒューマニティが特色

  

石田冲秋 (俳星主幹)

 

 

 

*小夜あらし山廬の紫苑いかなれや

*かまくらや穿つ彼の世の小さき灯

*鳥帰る波音のやうな声を曳き

*箒目にはや零れをり棕櫚の花

*鶯と暫し汽車待つ無人駅

  

作風:神の恩寵のような誠実な叙情が持ち味

  

伊藤青砂 (前秋田県俳句懇話会会長・萬緑)

 

 

*色変へぬ松や真砂女と出会ひさう

*鍬一丁だけの注文鍛冶始

*だんまりの藁梵天を雪に挿す

*酔の顔風が撫でゆく川梵天

*帰らざる写真の軍馬昭和の日

 

作風:旺盛な感受にして静逸

 

前記近作選・短評:和田 仁

 

 次のシリーズを期待しております。

 

 The next posting ‘『詩の国秋田』第4号「露月山人、衆目には見えない『赤い糸』を詠む」’ appears on September 3.

  

蛭田 秀法Hidenori Hiruta

 

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