第5回国際俳句大会

第5回国際俳句大会(オンライン大会)「秋田市・松山市姉妹都市提携の展望」

 この度、第5回国際俳句大会を開催いたします。当初、国際教養大学を会場として開催する予定でしたが、コロナ禍の状況でオンライン大会として実施することになりました。予定通り、7月に別会場においてシンポジウムを関係者だけで行うことができました。つきましては、皆様から本日のHPをご高覧いただき、ご意見やご提案をお願い申し上げます。

.第4回国際俳句大会における提唱について

 2018(平成30)年10月、秋田国際俳句・川柳・短歌ネットワーク(幸野稔理事長)の主催により第4回国際俳句大会が「詩の国秋田の国際化のために」をテーマとして開催されました。シンポジウム「未来の展望」において工藤一紘(石井露月研究会会長)から 「’02世界俳句フェスティバルin 雄和、そして、小説 露月と子規」というテーマでお話があり、「石井露月生誕150年記念・秋田市・松山市姉妹都市提携」についての提唱がありました。

概略

 第7回日露俳句コンテストの英語部門でクロアチアからの応募数が68句ととても多かったことをうれしく思い、2001(平成13)年にロンドン大学で開催された世界俳句フェスティテバルと2002(平成14)年9月20日秋田市雄和で開催された「’02世界俳句フェスティバルin 雄和」にクロアチアから参加されたビスニア・マクマスターさんとの出会いを大変なつかしく想い起こしました。9月21日、有志で象潟へ吟行、蚶満寺境内でマクマスターさんを囲んでの車座の交流がありました。彼女は長い紛争でトラウマに苦しむ子供たちに対して、俳句を精神科のセラピーとして活用されている人です。
 2018(平成30)年7月8日さきがけ文庫『小説 露月と子規』が出版されました。初版の1000部がたちまち売り切れたとのこと。目下、第2版の出版の準備中とのこと。反響が大きく、11月3日には東京で、来年の2月19日には松山の愛媛新聞社で小説の背景と経緯についての講演が予定されています。「’02世界俳句フェスティバルin 雄和」についてまとめた『俳人・石井露月』に次ぐ作品で一躍全国の脚光を浴びることになりました。
 2022(令和4)年における石井露月生誕150年を機に、俳句王国松山市と詩の国秋田の県都秋田市が姉妹都市となり、ますますの俳句の発展が望まれるような未来図が描かれました。

2.シンポジウム 「秋田市・松山市姉妹都市提携の展望」について

 2021(令和3)年7月3日(土)秋田拠点センターアルヴェ・市民交流サロンにおいて秋田国際俳句ネットワーク(蛭田秀法会長)の主催により第5回国際俳句大会が「秋田市・松山市姉妹都市提携の展望」をテーマとして開催されました。コロナ禍の状況の中、シンポジウム「秋田市・松山市姉妹都市提携の展望」が関係者だけで行われ、この結果を下に、一般参加者の皆様からは後日オンライン大会としてメールを通じてご意見やご提案をいただくことになりました。
参加者と概略は下記の通りです。
司会     齊藤心葉(秋田国際俳句ネットワーク会員)
パネリスト  工藤一紘(石井露月研究会会長)
       竹下博英(雄和国際交流協会会長)
       伊藤洋文(雄和芸術文化協会会長)
コーディネーター   グラフストロム・ベン
         (国立大学法人秋田大学高等教育グローバルセンター講師)
一般参加者  佐々木三知夫(秋田日ロ協会理事長)

(1)実現運動の経緯について                  工藤一紘 

 2018(平成30)年10月2日付けの秋田魁新聞の「声の十字路」において「露月と子規のえにしを思う」という読者の声で秋田市在住の小野栄仁氏が姉妹都市提携を呼びかけたことから始まりました。
 2019(平成31)年2月19日松山子規会からのお招きによる講演(愛媛新聞社講堂にて)でも松山子規会の皆さんから積極的な賛同を得ることができました。
 その後、2019(令和元)年7月秋田で一番大きな俳句結社である俳句懇話会70周年記念講演でも賛同がありました。いくつかの俳句吟社でも訴えを重ね、皆さんから前向きな反応をいただいております。

松山子規会・講演風景

松山子規会・懇親会

(2)松山市との姉妹都市提携について              竹下博英

 秋田市は国外では蘭州市、パッサウ市、ウラジオストク市、セントクラウド市、キナイ半島郡、国内では常陸太田市、大子町、そして仙北市と姉妹都市提携を結んでいます。それぞれ提携の経緯があり、秋田市友好都市交流展を開催したり、秋田市姉妹都市フォーラム情報誌を出版したり、ホームページでも情報が発信されています。
 松山市との姉妹都市提携はやはり「子規と露月」のえにしを経緯として進展させることが自然であろう。正岡子規の句については誰しも周知しているが石井露月の句についてはもっと市民の皆様に知られてもよいと思います。今後いろいろな企画を通して姉妹都市提携への機運が高まることが期待されます。

秋田市姉妹都市フォーラム情報誌

(3)石井露月生誕130年、140年記念事業を振り返る!       伊藤洋文

 2002(平成14)年石井露月生誕130年、2012(平成24)年石井露月生誕140年の記念事業に雄和図書館長として携わった経験から貴重なお話がありました。秋田市や秋田市教育委員会などの主催による記念事業として全国俳句大会と秋田市短詩型大会が同時に開催され、芸術文化の振興のために様々な資料が刊行され、また、資料のデジタル化がなされてきました。
 結果、松山市との姉妹都市を申し込む石井露月側の環境が明らかにされ、2022(令和4)年における石井露月生誕150年の機会に「姉妹都市提携」の実現運動を俎上に乗せていこうということになりました。
 来年度の記念事業がいかに盛り上がっていくか、市民の皆様のご意見やご提案が期待されます。

石井露月生誕140年の記念事業

(4)民間レベルや市民レベルの参加の必要性について      佐々木三知夫

 第4回国際俳句大会の講師として佐々木三知夫氏が「国内外の活動」について話されました。特に、早稲田大学中南米研究会幹事長として日本学生キューバ友好視察団の団長をつとめ、カストロ首相と会見、キューバの青年たちとの交流の体験談など、有意義でユニークな活動報告がありました。
 今回もご出席いただき、ご助言をいただきました。若かりし頃、松山市の井関農機で約二か月農機具の研修をされ、ミカン園で農業の実習をしたとのこと。その頃正岡子規の句碑巡りをされ、今回のテーマである松山市との姉妹都市提携に関心を抱き、俳句を通した文化交流から伊予柑とサキホコレとの農業交流に発展する可能性を予見。
 行政レベルの交流の下、民間団体や市民の交流が日常的に行われることが大切であると力説。実際に、2018(平成30)年11月、秋田日ロ協会は第3回産業文化交流団を組織、在ウラジオストク日本国総領事館主催のジャパンフェスティバルに参加しています。

3. 一般読者の皆様からのご意見やご提案について

下記の項目についてメールでお願い申し上げます。

  (1)行政レベルでの姉妹都市提携に期待すること
  (2)民間レベルでの交流に期待すること
  (3)市民レベルでの交流に期待すること

 4.参考資料(各レベルの交流の具体例)

(1) 行政レベルの交流 ―ウラジオストク市における俳句交流―

 2011(平成23)年10月、秋田県・ロシア沿海地方の文化交流事業の一環として秋田国際俳句・川柳・短歌ネットワーク事務局長蛭田秀法(秋田国際俳句ネットワーク会長)がウラジオストク市に派遣され、俳句を通しての文化交流を行いました。
 在ウラジオストク日本センター(大石莊平所長)を拠点として東方学校、極東連邦大学、日本センターにおいて俳句レッスン、ワークショップ、講演を行いました。講演では芭蕉の句を例として挙げながら「俳句と茶道」の共通性について話をしました。結果、翌年の日露俳句コンテスト、そして秋田市とウラジオストク市での俳句大会開催への道を拓くことになりました。

東方学校での俳句レッスン

お茶会での交流

講演会の出席者

(2)民間レベルの交流 ―日露俳句コンテスト、そして日露俳句大会―

 2012(平成24)年5月、秋田県・ロシア沿海地方の文化交流事業、秋田市・ウラジオストク市姉妹都市提携20周年記念行事、そして石井露月生誕140年記念として日露俳句コンテストが開催されました。
 さらに、同年9月には秋田市とウラジオストク市で日露俳句大会が開催されました。秋田大会では、千秋公園(久保田城跡)を巡る吟行句会も行われました。
 秋田国際俳句・川柳・短歌ネットワーク(幸野稔理事長)が秋田県、秋田市、秋田県国際交流協会、国際教養大学などの支援の下、会員と市民有志の方々の寄付によって開催しました。

大会誌

秋田県へ絵画の寄贈

大会風景

千秋公園久保田城跡)での吟行

(3) 市民レベルの交流 

―第8回秋田国際俳句コンテスト、そしてWorld Haiku Series 2019―

 日露俳句コンテストは7年間に渡って行われましたが、日本語部門に11か国から2,388句、ロシア語部門に31か国から1,645句、英語部門に70か国から2,253句の応募がありました。子供や学生、一般の俳句詩人や俳句愛好者から句が寄せられ、俳句が徐々に世界の国々に広がっています。優秀作品はインターネット上で共有され、俳句を通した文化交流を楽しみながら、異文化を持つ人々の間で相互理解が深まっています。
 2019(令和元)年、秋田国際俳句ネットワーク(蛭田秀法会長)は第7回日露俳句コンテストを踏襲し、第8回秋田国際俳句コンテストを開催。日露俳句コンテストに応募された多くの方々から、引き続き句が寄せられ、日本語・英語両部門に57か国から413句の応募がありました。
 さらに、7年間に渡る日露俳句コンテストの応募者の皆様に感謝の気持と敬意を表明し、芭蕉象潟訪問330周年を記念するため、“World Haiku Series 2019”を開催。45か国から212名の参加があり、2,120句をホームページに一日一人、英語ハイク10句とその和訳、作者のプロフィールや句歴、写真などを添えて連載しました。
 翌年から、コンテストとシリーズ共に、秋田県、国際教養大学、秋田市、秋田魁新報社、国際俳句交流協会などからご後援をいただき、継続しております。

送り先: メールアドレス shhiruta@nifty.com

締切り: 令和3年9月20日(月)

結果報告:令和3年9月27日(月)HPに掲載 https://akitahaiku.com/

主催: 秋田国際俳句ネットワーク

共催: 石井露月研究会

後援: 秋田県、国際教養大学、秋田県教育委員会、秋田市教育委員会、秋田魁新報社、地域活力創造研究所・C-LABO、国際俳句交流協会、俳句ユネスコ登録推進協議会

お問い合わせ先: 蛭田秀法 E-mail: shhiruta@nifty.com

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