Book Announcement! “白濁 : SILENCE: A WHITE DISTRUST” by Rika Inami

Rika Inami (稲美里佳) of the Akita International Haiku Network has published a new book titled 白濁 : SILENCE: A WHITE DISTRUST | 稲美 里佳, Ram ….

Here are a few pages from the new book.

このたびインドの現代詩の第一人者ラム・クリシュナ・シン博士の『SILENCE: A WHITE DISTRUST』に収められている英語俳句48句(川柳含む)と英語短歌48首を日本語に翻訳致し、出版いたしました。氏の英語原文と日本訳の対訳版です。

序文

 数年前、インドの現代詩人の第一人者であるラム・クリシュナ・シン博士を紹介されたのは秋田国際俳句ネットワーク会長の蛭田秀法氏からでした。その後、フェイスブック等のソーシャルメディアの詩のコミュニケーションで頻繁に交流するようになり氏との交わりは今に至っています。
 
 氏から『SILENCE: A WHITE DISTRUST』の日本語への翻訳を依頼されたのは、昨年の夏のことでした。諸般の事情により、はからずも翻訳作業が中断し遅れてしまったのはとても残念なことでした。が、このたび漸く出版の運びとなり、氏への顔向けともなり、また私自身の節目になり安堵しております。  

 『SILENCE: A WHITE DISTRUST』日本語訳『白濁』には2017年から2020年の氏の作品が収められています。インドという地で培われた氏の魂と肉体がとらえたその一瞬が短歌・俳句・川柳へと昇華され詠われています。 

 時には魂の高みから鳥瞰するかのように明朗に、その高みから急転直下、地に降りたったかのように地に浸潤し地上の愛の営みをさまざまな事物に託して大胆かつ細やかに詠い、またある時には街角で目にした世相をシニカルに描いています。近年の武力闘争の様は痛ましい限りです。新型コロナウィルスに影響された世界を表すことも避けられないものでした。翻訳しながら、天地を縦横無尽にかけめぐり、事物に反応する氏のしなやかな魂と感性を感ぜざるをえませんでした。 

 翻訳するにあたって留意したことは、言語構造が異なる英語の短歌、俳句、川柳をどのように、それぞれの日本語の定型詩に翻訳したらよいかということでした。 

日本語短歌は 原則 5-7-5-7-7 計31音 
日本語俳句と川柳は 原則5-7-5 計17音 

 このなかに用いられる語は、助詞、助動詞を除けば、ほとんど2音以上から成っています。したがって、日本語短歌、俳句、川柳には自立語である名詞や動詞、形容詞等の音数が多い単語の場合、31音あるいは17音のなかに数多く使うことができません。
 
 他方、英語短歌は 原則5-7-5-7-7 計31シラブル。英語俳句と川柳は 原則5-7-5 計17 シラブルまで、シラブル数を盛り込むことができます。   

 さて、ここで問題があります。英語にはたとえ1シラブルでも日本語に翻訳すれば、2音以上から成る名詞や動詞、形容詞などの単語があるということです。たとえば、”rice”や”think”は1シラブルですが、日本語にすると「米(こめ)」と2音に、”think”は「おもう/かんがえる」と3音あるいは5音になります。

 このことが意味することは、英語短歌、俳句、川柳を日本語に翻訳することは、単語の意味通り訳するならば、たとえ1シラブルであれ、日本語の仮名文字の音数では複数音になるということです。したがって、偶さかに逆の場合がありますが、英語俳句・短歌の和訳は俳句の17音、短歌の31音には収まりきらないという難点が多く出てくる場合があります。 

 こうした言語構造の相違をどうにかまるく治めて、例外はありますが、日本語定型短歌、俳句、川柳に仕上げたのが本書でした。これに一役かったのが、古語文法に則った助詞、助動詞ならびに語の活用でした。幸いなるかな、古語文法には、私が日頃からabbreviation(縮約)効果と呼んでいる、現代日本語の意味をこめて音数を縮約する働きがあります。 
 
 詩そのものについては旧仮名遣いを、ルビについては現代仮名遣いを用いました。多くは句中の母音・ん・促音による多少の字余り詩につきましては、定型詩の許容範囲内と認めて頂ければと願っております。 

 翻訳に際して、秋田国際俳句ネットワークの蛭田秀法氏とグラフストロム・ベン氏にアドバイスいただきました。お二人に心より御礼申し上げます。 

ever evading 
happiness for the now— 
unfinished song 

つかのまの 
幸をのがれて 
未完の詩 

moonless 
this November night 
livelier with stars 
and breathing silence 
perfumed with night queen 

月なきの 
霜月の夜の 
芳香に 
星なお光てりて 
静寂(しじま)息づく 

still lingers 
her scent on the linens 
drying in shade 

リンネルの 
残り香ほのり 
日陰干し

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