『詩の国秋田』 第4号 「秋田俳壇の先達」シリーズ(1) 

  年会誌『詩の国秋田 : Akita – the Land of Poetry 』第4号のEパンフレットによる発刊にあたり、秋田県国際俳句協会会長和田仁氏が「秋田俳壇の先達」シリーズとして次の俳人の方々の句を選句し、短評を加えました。 ご紹介します。   「秋田俳壇の先達」シリーズ(1)   川村三千夫 (秋田県俳句懇話会会長・合歓代表・海程)     *少年の眸よ早春の潮溜まり *震度六春の厠に四つん這い *反転の山女そのとき白けむり *原子炉に神は在さず五月雨 *稲架の裏馬の魂魄ひしめけり 作風:華麗にして鋭利な俳諧性が持ち味    武藤鉦二 (秋田県現代俳句協会会長・しらかみ主宰・海程)      *山国の山影ふくらんでゆく日永 *読本に黒塗りしころ夜の蝉 *途中から雁が音となり津軽三味 *どか雪の盆地ふんわり落とし蓋 *軒つらら民話はぐくむ硝子ペン    作風:俳域を超越した清冽な詩性が持ち味    伊藤沐雨 (天為秋田支部長)       *越後より軽しと羽後の雪をかき *木版の和紙の白さを雪として *雪囲ひして風評を寄せつけず *せせらぎの記憶は春の小川です *四五軒の里の総出の花筵    作風:高潔にして典雅な情感が持ち味    舘岡誠二 (前秋田県現代俳句協会会長・海程・寒鮒)       *地獄絵の被災地掠め岩燕 *潟の田で守護神となり雁の陣 *じわじわと寒さ酒場の客まばら *ポケットに延命丸入れ冬の漁夫 … Continue reading 『詩の国秋田』 第4号 「秋田俳壇の先達」シリーズ(1) 

『詩の国秋田』第4号 -秋田県国際俳句協会の誕生-

平成24(2012)年7月国際教養大学理事長・学長の中嶋嶺雄先生を名誉会長、同大学副学長のマーク ウィリアムズ先生を副名誉会長として、秋田県俳句懇話会、俳人協会秋田県支部、秋田県現代俳句協会など、秋田県の俳壇の重鎮の皆様を顧問や相談役にお願いして「秋田県国際俳句協会」を設立いたしました。 年会誌『詩の国秋田 : Akita – the Land of Poetry 』第4号のE-パンフレットによる発刊にあたり、秋田県国際俳句協会会長和田仁氏から巻頭言を賜りました。       秋田県国際俳句協会設立の経緯について                      会長 和田 仁    このたび、多くの方々に励まされ、「秋田県国際俳句協会」を県単位としては全国に魁けて設立することが出来ました。心から御礼申し上げます。  さて、当協会の門出は、 一、有馬朗人先生を会長とする「国際俳句交流協会」と秋田県俳壇との親密な交流 二、佐竹敬久県知事はじめ秋田の「官」の支援 三、中嶋嶺雄国際教養大学理事長・学長はじめ秋田の「学」の支援 四、経済界はじめ国際交流に心血を注いでいる「民」の支援 五、国際俳句の世界で高い評価を得ている「秋田国際俳句・川柳・短歌ネットワーク」の実績                                  など 既に強固な基盤があり、自然発生的な安産とも言えるかも知れません。それだけに今後の活動内容が厳しく問われることになります。  当協会の設立目的に「秋田県俳壇の振興と国境や言語の壁を越えて俳句文芸の普及交流に寄与する」と記されております。 幸い、俳壇を背負っておられます先生達はじめ多くの方々の賛同を得られ、今後も御協力を頂ける運びとなりました。深く感謝を申し上げます。  ところで、俳句は世界一短い詩形と言われております。しかし、その呟きにも似た片言性ゆえに大宇宙さえ捕らえることが出来るのです。この含蓄のある神秘的な詩形は世界に普及する魅力を充分持ち合わせているのです。   献四句   *交響曲新世界より花便り *夏蝶に戦の匂ひ火の匂ひ *流星やゼロに近づく数へ方 *韃靼の海へと帰る尾白鷲                 次に、当協会の「規約」を紹介します。   秋田県国際俳句協会規約   第一条     本会は、秋田県国際俳句協会と称する。 第二条     本会は、秋田県俳壇の振興と国境や言語の壁を越えて俳句文芸の普及交流に寄与することを目的とする。 第三条     本会は次の事業を行う。 (1)     研修会、講習会の開催。 (2)     県内外および国内外へ情報発信と講師派遣。 (3)     作品と論文発表および業績の顕彰。 (4)     機関誌の発行。 (5)     … Continue reading 『詩の国秋田』第4号 -秋田県国際俳句協会の誕生-