『詩の国秋田』にちなんで (6) -鎮魂と慰霊-

  平成23(2011)年8月発行の『詩の国秋田 : Akita – the Land of Poetry 』第3号には、秋田県教育委員会教育長米田進氏から巻頭言を賜りました。 秋田国際俳句・川柳・短歌ネットワーク理事長幸野稔氏(秋田大学名誉教授)と秋田大学名誉教授・文学博士石川三佐男氏からも玉稿を賜りました。       米田教育長は次のように述べています。一部を紹介します。 「グローバル化が進展するこれからの社会を主体的、創造的に生き抜くためにも、コミュニケーション能力や表現力、情報活用能力を高めていくことがますます大切になってきます。俳句・川柳・短歌を英語で表現することを通し、国際交流を重ね、地域の文化、人々の思いを発信できるということは、これからの郷土秋田を支え、世界に羽ばたく人材を育成するうえで、大変有意義なことであります。」    次に、幸野理事長と石川先生の玉稿を紹介します。      最後に、当ネットワークに世界各国から「東日本大震災」へのお見舞いやお悔やみ、祈りや激励を表すメール、ハイクや俳画、短詩などが寄せられ、その一部を紹介します。      当ネットワークでは「Haiku about the Great East Japan Earthquake(震災句)」というテ-マで4月30日からお寄せいただいた作品を13回のシリ-ズで毎週土曜日に掲載しました。 次のサイトがそのシリーズです。   https://akitahaiku.wordpress.com/2011/04/30 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/05/07 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/05/14 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/05/21 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/05/28 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/06/04 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/06/11 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/06/18 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/06/25 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/07/02 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/07/09 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/07/23 https://akitahaiku.wordpress.com/2011/07/30   7月16日には、国際俳句交流協会(有馬朗人会長)がホームペ-ジに掲載した「3.11.Haiku」の記事を当ネットワークでリンクしました。  http://www.haiku-hia.com https://akitahaiku.wordpress.com/2011/07/16     最後になりますが、ここで改めて世界各国の詩友の皆様に敬意と感謝の念を表しながら、 東日本大震災でおなくなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。 合掌     The next … Continue reading 『詩の国秋田』にちなんで (6) -鎮魂と慰霊-

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『詩の国秋田』にちなんで(5) -石川三佐男先生の卓見- 

  平成22(2010)年8月発行の『詩の国秋田 : Akita – the Land of Poetry 』第2号には、秋田県知事佐竹敬久氏と秋田大学名誉教授(文学博士)石川三佐男氏から玉稿を賜りました。 最初、佐竹県知事の巻頭言を紹介します。      佐竹秋田県知事は次のように述べています。一部を紹介します。 「秋田の地から『英語ハイク』を世界に発信しようという趣旨で本誌を発行したとのことであり、皆様の活動が、秋田の文化を世界に発信することで、地域社会や国際交流に大きく貢献されていることに対し、深く敬意を表します。  ご存知のとおり、『秀麗無比なる鳥海山よ』ではじまる秋田県民歌の第一番は、『山水皆これ詩の国秋田』という言葉で結ばれます。この県民歌を聴くたびに、秋田は自然や文化がそのまま詩となる美しい地域であるという思いを強くするのであります。秋田のこの美しい原風景が俳句や短歌などの短い言葉に載って世界に伝わり、国内外との交流や絆が大きく育っていくことを願っております。」   次に、石川三佐男先生の玉稿を紹介します。                  赤星藍城の「孔雀窟旧製」に見る典故の活用美について                                                                                                    石川 三佐男・秋田大学名誉教授(文学博士)     赤星藍城(1857~1937)は宮城県生まれ。秋田に縁の深い医家・書家として知られる。 書家としての本領は『藍城遺墨帳』に結実している。藍城は漢詩の名手でもあった。漢詩の生命線は「典故」活用力にかかっている。以下その視点から藍城の詩才を見てみよう。   「鮫人之室」(鮫室・鮫人之宮とも)という故事がある。南海の水中に居る伝説的人魚(鮫人)の部屋、また宮殿を意味する。この人魚は機織りに長け、よく泣き、泣けば泪が珠(魚珠)となる、そのうすぎぬ(鮫?)は衣服にすると水に入れても濡れないとも言われる。現代の一流水泳選手がこれを入手したら世界新続出となるだろう。出典は漢代の『述異記』下編。「水浄露鮫室、烟消凝蜃樓」(孫佐輔・望海詩)、「居然月宮化鮫室、坐見月中清泪滴」(楊維楨・奔月卮歌)等は「鮫室」や「魚珠」の故事を活用した歴代の作品例である。  藍城も「鮫室」の故事を活用している。詩は男鹿半島の奇観「孔雀窟」を謳ったもの。孔雀窟は近隣の「蝙蝠窟」と並んで神話・伝説にも富んでいる。「孔雀窟旧製」と題する軸物一幅の書作品(七言絶句)は現在、秋田市立千秋美術館蔵となっている。   絶壁千尋挟水懸  絶壁千尋、挟水懸かり     虹霓雙架影横天    虹霓雙架し、影、天に横たはる     紅暾晨上青龍臥    紅暾、晨に上れば、青龍臥し     海霧晴来鮫室前    海霧晴れ来たる鮫室の前に  男鹿半島の断崖は千尋の深さがあって絶壁には小脇に抱えられたように滝水が白い糸となって細くぶら下がり、真上には虹が雌雄七色、橋のように架かって、虹橋の影が天空に大きく横たわっている。早朝、紅色に染まった太陽が昇りはじめると、天空に架かっていた雌雄七色の虹と海一面に立ち込めていた朝霧は次第にその姿を消滅して一面晴れはじめ、やがて鮫室(孔雀窟)の前まで迫るよう刻一刻と晴れ渡ってきたことであった。  詩の見どころは男鹿半島の断崖絶壁の景と天空に横たわる美しい虹の橋による立体的景観美。「孔雀窟」の正面で繰り広げられる「紅暾」(旭日)の昇天と「青龍」(虹)と「海霧」の消滅。また明光の到来によって刻一刻と変化する自然界の荘厳な景観美など。圧巻は結句に見える典故の活用美。狙うところは男鹿半島の奇観(孔雀窟)と中国古代の霊妙な人魚伝説(鮫人之室)の時間軸地理軸を超越した宇宙規模的融合だ。狙いは的中し、藍城の「孔雀窟旧製」は秋田漢詩一万編の質の高さと「山水皆詩の国秋田」(県民歌)を体現する見事な作品となっている。ここには秋田再生のヒントがあることも見逃せない。  今年初め、筆者は千秋美術館から依頼を受けて「赤星藍城筆『孔雀窟旧製』訳読」等の報告書を回答したことがあった。本稿はその成果によっている。                                            (平成22年6月14日、識之)   石川先生は、「詩の国秋田」は、実は「漢詩の国秋田」であったとおっしゃっています。 平成22(2010)年9月に発行された『旭水』第34号に「秋田の教育と文化に寄せて」というタイトルで石川先生の玉稿が掲載されています。 一部分ですが、その抜粋を紹介します。 「江戸期の秋田の教育や文化を象徴する作品として秋田人士による漢詩文が約一万編あります。天下の水準を遙かに傑出した作品が少なくありません。」   今や21世紀、「詩の国秋田」がどのような文化を築いていくか、楽しみであります。 … Continue reading 『詩の国秋田』にちなんで(5) -石川三佐男先生の卓見- 

『詩の国秋田』にちなんで(4) - Contribution of Professor Alexander Dolin ー 

  Professor Alexander Dolin teaches Japanese Literature and Civilization Studies at Akita International University(AIU).  Prof. Dolin also writes haiku. Professor Dolin helped us in many ways as one of the founders of the Akita International Haiku Network. Prof. Dolin kindly contributed to us the following article “The Rediscovery of Japanese Poetry” for the yearly pamphlet … Continue reading 『詩の国秋田』にちなんで(4) - Contribution of Professor Alexander Dolin ー 

『詩の国秋田』にちなんで(3)-日露俳句コンテストお題「海」-

   平成23(2011)年10月、国際教養大学の図書館長室に勝又美智雄先生を訪問。 ウラジオストクでの俳句を通じた文化交流についてご報告をした。 勝又美智雄教授は「秋田国際俳句・川柳・短歌ネットワーク」の創立者の一人として理事長・学長の中嶋嶺雄先生と一緒に構想を練り、設立に至った立役者であった。 「日露俳句コンテスト」の開催についてご相談を申し上げたところ、即座にご賛同。 ご助言やご提案を賜り、コンテストのお題は「海」ということになった。 ここで、平成21(2009)年の『詩の国秋田』第1号にご寄稿いただいた記事をご紹介します。       「秋田の四季」を愛し、秋田の風物や文化に興味を持ち、次のような句をご恵贈いただいた。   Akita dewa I tsudemo tanoshii Uta-hiraku   Akita People can I mprovise the lyrics and poems Unlimited ways     さて、「海」について『詩の国秋田』第1号で取り上げていただいた方がいる。 国際教養大学教授市川博也先生である。       玉稿の中で市川先生は次のように述べている。 「世界に開こうとする秋田の国際性は、どうも古代にまでさかのぼれるようだ。古代東北は環状日本海交流の結節点であり、秋田と渤海国の交流の歴史的な事実がその証左である。渤海国(698-926)は高句麗遣民と靺鞨(まっかつ)人が建てた国でその主な交流の窓口となったのが秋田城を中心とする出羽であったとする、元秋田大学学長新野直吉氏の研究は私には大変興味深い。渤海国からの使節が出羽を中心に34回にも及び、一時は1100人に及ぶ民間人が海を渡って来航、帰化を求めたとのことである。」   今やその当時の遺跡が発掘されている当地秋田と「渤海国」の一部であったウラジオストクの両市でこの9月22日と29日に「日露俳句大会」が開催されるのは、また縁なるかである。     The next posting ‘『詩の国秋田』にちなんで(4)-アレクサンダ- ド-リン先生の貢献-’ appears on August 28.    ―蛭田 秀法(Hidenori Hiruta)   … Continue reading 『詩の国秋田』にちなんで(3)-日露俳句コンテストお題「海」-

『詩の国秋田』にちなんで (2) -有馬朗人先生との出会い-

      平成21(2009)年6月、『詩の国秋田』発刊に対して国際俳句交流協会会長の有馬朗人先生から「お祝いのことば」をお願いできればと思った。 事務局長の村岡弘氏からご高配を賜り、次のようなページが誕生した。       平成21年年11月28日、東京で国際俳句交流協会創立二十周年記念シンポジウムが「世界の俳句・ハイク-現状と未来」というテーマで開催された。 イギリス、ドイツ、アメリカ、クロアチア、そして日本のパネリストの皆様の俳句が紹介され、日本の代表である有馬先生の俳句は次のような句であった。   失ひしものを探しに冬帽子   looking for something lost ―        wearing a winter cap     有馬先生は最後に次のように予言されたのが印象的であった。   「俳句はその短さと自然との共生という基盤によって今後も世界に向かって広がって行くだろう。 短い俳句の形式に興味を抱き、3行詩を楽しむ若者が世界中に出てきている。 インターネットの出現でネット上で俳句を分かち合うことが多くなるだろう。 そして、ネット上で万国俳句大会やコンテストが開催されるだろう」と。   懇親会で有馬先生にご挨拶する機会があった。 『詩の国秋田』への玉稿についてお礼を申し上げたところ、中嶋嶺雄先生にくれぐれも「よろしく」とおっしゃられました。       平成23(2011) 年9月25日、秋田を出発しロシア連邦ウラジオストク市に向かった。 俳句を通じた文化交流を行うためであった。 東方学校で俳句レッスン、極東連邦大学で俳句ワークショップ、ウラジオストク日本センターでは「俳句と茶道」についての講演を行った。 日本センターと極東連邦大学東洋学大学日本学部を表敬訪問。大石莊平所長とシュネルコ・アレクサンダー日本学部長にお会いし、有馬先生からのメッセージをお伝えし、国際俳句交流協会の機関誌「HI」No.95、No.96を贈呈。日本語と英語によるHIA (Haiku International Association)への入会案内を紹介しながら、俳句の広がりを期待した。 文化交流についての記事は、国際俳句交流協会のホームページの会員の活動報告の中で「ウラジオストクでの俳句紹介」というタイトルで紹介されている。 「日本語版」:http://www.haiku-hia.com/report_jp.html 「英語版」:http://www.haiku-hia.com/hyoron_en_ru.html HIA実行委員の藤本はな様と日航財団の浜崎明美様からご指導ご協力を賜り、実践することができた。   平成23 年11月27日HIA第13回俳句大会で有馬先生にお会いし、ウラジオストクでの俳句を通じた文化交流についてご報告。先生は「文化交流の大事さ」について強調され、次年度における「日露俳句コンテスト」の開催を大変お喜びになられた。       写真中央 有馬朗人先生、左側 和田仁氏(秋田県国際俳句協会会長)、右側 筆者   平成24(2012)年5月8、9日の両日、駐日スウェ-デン大使館で俳句セミナーが開催された。 … Continue reading 『詩の国秋田』にちなんで (2) -有馬朗人先生との出会い-

『詩の国秋田』 にちなんで (1) - 中嶋嶺雄先生の巻頭言 -

   Three years have passed since we founded the Akita International Haiku Network on May 1, 2009. At the same time we published the yearly pamphlet 『詩の国秋田 : Akita – the Land of Poetry』 on August 31, 2009. Here is its front cover page, in which the article by President Mineo Nakajima (中嶋嶺雄)at Akita International University(国際教養大学)is shown. … Continue reading 『詩の国秋田』 にちなんで (1) - 中嶋嶺雄先生の巻頭言 -

Haiku by Oprica Padeanu, Romania (4)

  According to Tatiana BARBUCEANU,  Oprica PADEANU, author of several poetry and prose books, situated discreetly, but consistently on the Japanese tristich rigours.   Like a writer she explored the social-existential theme, like a haijin chose the nature, as base and key for to understand the living in instance.        Thus, her haiku … Continue reading Haiku by Oprica Padeanu, Romania (4)